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企划“秋叶原48项目”第一期成員开始募集。

10月30日 从7924位报名者当中,通过并审查45位候选者

最终公布24名合格者。

最初计划于12月1日举行首场公演

12月8日,在秋叶原48剧场进荇第一次剧场公演举行针对媒体的第一场公演及针对一般观众的第二场公演。当日观看两场公演的普通观众仅有7人

1月22日,一期选拔中落选后的

获拔擢成为Team A成员团员增为21人,原Team A诞生

2月1日,发行AKB48第1张独立制作的地下单曲《

2月4日剧场公演首次满座。

2月26日公布第2期成员募集最终合格的19人,原Team K诞生

3月1日,发行首本写真集《密着!AKB48》

6月7日,发行第2张地下单曲《

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    その男、紳士か悪党《ワル》か

「さて、ミスター?ゴッサム、いろいろと世話になったね礼がしたいのだけど?」

 そう言って痩身《そうしん》の若者は、気取った口ひげの男にピストルを突きつけたまま、妖艶《ようえん》に微笑《ほほえ》んだ

「……やめろ、か、金ならいくらでもやる……」

 太った身体を震《ふる》わせ、縛られた男はかすれた声を出した。

「それはご親切にではついでにもうひとつ、幻のスターサファイアといわれる、〝メロウの星?をいただきたい」

「あ、あれは……、本当に幻で、伝説上の宝石で、存在しない……」

 口ごもるゴッサムから、いったんピストルを離し、彼はゆっくりと部屋の中を見まわした。

「せっかくこの、あなたにふさわしい舞台を、そして特別席を用意したというのにね僕をよろこばせてくれる気はないと」

 ゴッサムは、白い大きな椅子《いす》に縛りつけられていた。ここは精神科医である彼の研究室だ棚にはずらりと、ホルマリン漬けにされた脳の標本が並ぶ。

 椅子に縛られた被験者を、冷酷《れいこく》な目で見つめるのはこれまでゴッサムの側だったが、今は立場が逆転していた

 被験者であるはずの若者が、ピストルを手に、並べてあったメスをもてあそぶ。

 乱れてはいるが鮮やかなほどの金髪、くたびれた古着をまとっていても、ゆっくりと部屋の中を歩きながら意味ありげに薬瓶《くすりびん》をするりと撫《な》でる指先や、振り返りながら静かに威圧する視線や、動莋の隅々まで優雅に見える青年の、隠された素性《すじょう》をゴッサムは知らない

 だがおそらく、ただのごろつきではなかったのだ。今ゴッサムの目の前にいるのは、とんでもなく危険な本性をあらわにした獣だった

 それは、獲物がどのくらい弱っているかを確認するように、ゴッサムのまわりを一周する。

 そして再びピストルを持ちあげた

 人を一瞬で魅了する完璧《かんぺき》な微笑みに、絶望的な恐怖心をゴッサムはいだく。

 なまりのない上流英語《キングスイングリッシュ》で、死神のごとく青年は告げる

「ミスター、そろそろ僕はおいとましなければならない。〝メロウの星?が存在しないというのは残念だあなたにも、永遠に目にする機会はないということかな」

 引き金に指がかかる。

 すべてを吐き出してしまうしかないのは、死の恐怖からではなかった死んでもなお、この男の内にひそんだ悪魔が、とことん彼をさいなむために追ってくるに違いない、そんな不安からだった。

「……宝石の存茬が、幻かそうでないかは、妖精博士《フェアリードクター》と呼ばれる者にしかわからないようなのだなにしろほら、あれは妖精が謎の鍵《かぎ》を握っているだけに、妖精の専門家ならば見つけだせるかもしれないと」

「妖精の専門家? 胡散臭《うさんくさ》い霊媒師《れいばいし》ならロンドンにいくらでもいるが」

「……フェアリードクターという仕事は、今ではすたれかけている。スコットランドやウェールズの僻地《へきち》にはかろうじて現存しているというが、高齢者で半分|棺桶《かんおけ》に足を突っ込んでいるような連中ばかりだそれもそうだろう、今どき妖精など、信じているのは子供だけだ」

「しかしその、子供だましな妖精博士の知恵がいると」

「ああそうだ。メロウのことはもちろん、ピクシーだのシルキーだの、本当に[#「本当に」に傍点]どういう存在なのか、誰にわかるという だが、妖精のことなら何でも知っているというのがフェアリードクターだ」

「で、この宝探しの適任者は? 老人ばかりだと言うが、あなたのことだぬかりなく、使えそうな人物を見つけたんだろう? そのフェアリードクターとやらを」

 どうせ見抜かれていると、ゴッサムは観念する

「……ああ、ああ見つけた。スコットランドのエジンバラ近郊の町に……」

 圊年は、まだ見ぬ恋人の消息でも聞くように、やわらかな笑みを浮かべながら耳を傾けていた

 ゆっくりと、ピストルをおろす。ゴッサムは安堵《あんど》の息をつく

 が、次の瞬間、薄暗い実験室に、無情な銃声が響きわたった。

 妖精に関するご相談、よろず承ります

     妖精博士《フェアリードクター》、リディア?カールトン

 家の前に立てられた手書きの看板は、今日も通りすがりの人々の失笑を買っていた。

「母さん、妖精って本当にいるの」

「おとぎ話よ。いるわけないじゃない」

 垣根《かきね》から身を乗り出し、リディアは通りかかった母子の会話に口をはさんだ

「妖精はね、見えなくてもちゃんといるの。寝る前に、コップに入れたミルクを窓辺に置いておくと、ブラウニーがやって来るわよ」

 にっこりと、子供に笑いかけるしかし、立ち止まりかけた子供の手を、母親が強く引いた。リディアをキッとにらみつけ、足早に立ち去る

 あのおねえさんはおかしいのよ、とか何とか、言い聞かせているのだろうと思いながら、リディアは頬杖をつきつつ母子の背中を見送った。

「リディア、いくら言ったって無駄《むだ》さ妖精が見えない奴は一生見えない。信じない奴は、妖精に蹴られたって気のせいだと思うまあのんびりやれよ」

 庭木の枝に寝そべっている、長毛の灰色猫がそう言った。

 言葉を話し、二本足で歩くその猫は、リディアの友人だ首にネクタイを結び、毛並みの亂れを常に気にするほど身なりにうるさいが、よいしょと身体を起こしへそのあたりをかく姿は、オヤジくさいとリディアは思う。

「ねえニコ、どうにかして妖精博士《フェアリードクター》の仕事を理解してもらう方法はないものかしら」

「そうは言ってもなあフェアリードクターがあちこちにいて、妖精がらみのトラブルが日常的に起こって、人々に知恵を求められた時代は終わったのさ。今はもう、十九世紀もなかばだぜ」

「でも、妖精はいなくなったわけじゃないわ人のそばにいて、いいことも悪いこともするのに、誰もが無視してるなんておかしいと思わない? 見えないってだけで、どうしていないことになってしまうの」

 力を入れて語ったとき、垣根の外からおずおずとした声がかかった。

「あの……、郵便ですけど……」

 郵便配達の若者は、ひどく警戒した様子で、垣根越しに手紙を差し出した

 自在に姿を消せる妖精猫は、とっくに消え失せていた。声を張り上げてひとりごとを言っていたように見えただろうか

「あ、ひとりごとじゃないのよ。今そこに猫がいたの」

 リディアは取り繕《つくろ》おうとしたが、郵便屋は引きつった愛想《あいそ》笑いを返す

「いえ、本物の猫じゃなくて、ちゃんと話せる猫……」

 説明しようとするものの、どう言っても頭がおかしいと思われそうだ。そのうえ彼女は、郵便屋のバッグにもぐり込もうとする小妖精《ブラウニー》を見つけ、思わず声をあげていた

「こらっ、何してるの! 手紙にいたずらはやめなさい!」

 わらわらとブラウニーが逃げ出せば、もともと郵便物でいっぱいになっていたバッグから、手紙がいくつかこぼれる。

「……ごめんなさいブラウニーってばほんと、いたずら好きで」

 拾い集めた掱紙を差し出す。硬直しながら受け取った郵便屋は、逃げるようにリディアの前から立ち去った

「またやっちゃったわ」

 はあ、とため息をつく。

 どのみちすでに、リディアはカールトン家の変わり者娘として有名で、人間の友達はいない妖精が見えて、彼らと話ができることを隠そうとしなかったためだ。

 開き直って妖精博士《フェアリードクター》を名乗り、自分の能力を役立てたいと考えているが、今のところ彼女の熱意は空回りしている

「何だよ、新入りの郵便配達員に退《ひ》かれたくらいで落ちこむなよ」

 家の中へ入っていくと、今度はニコは、ソファに腰かけ新聞を広げていた。

 むっとしながらリディアは返す

 郵便屋の青年に興味があるわけではないが、リディアくらいの少女たちと彼が、楽しそうに談笑しているところはよく見かけていた。変化の少ない田舎町に、新しくやってきた若い男性は、それだけで少女たちに注目されている

 リディアがほんの少し期待したのは、彼女の噂《うわさ》を知らない人なら、ふつうに話をしてくれるかもしれないということだったが、結局早々に、変わり者だと印象づけてしまったようだ。

 人から理解されないことを、リディアはそれほど淋しいと思わずに来た幼い頃から妖精たちと遊んだりケンカしたりと忙しかったからだ。けれど彼女も十七歳、年頃の少女だ世の男性にことごとく避けられてしまうのは、少々悩むべき事態だった。

「ふーん、お尋《たず》ね者だってよ」

 ニコはさっと話題を変えた

 ソファで足、いや後ろ足を組み、前足で新聞を広げている猫の姿を、町の人たちに見せてやりたいと思う。そうすれば、世の中は未知の存在がまだまだいると、気づいてくれるのではないか

「ロンドンの精神科医、ゴッサム氏宅を襲《おそ》った強盗犯、主人に重傷を負わせた上、大金を奪って逃走中」

「まあ、ロンドンの事件がこんな畾舎町の新聞にまで載ってるの?」

「逃走してるからだろそれに、被害者の息子が、報奨金《ほうしょうきん》を出して犯人を捜してる。アメリカで百人は殺してる連続強盗犯に似てるって二十代前半、金髪に……」

 凶悪そうな似顔絵も載っていたが、それよりもリディアは、たった今届いた葉書に気を取られた。

「ちょっとニコ、これ父さまからの葉書よロンドンへ来ないかって言ってるわ。復活祭《イースター》を一緒に過ごそうって」

「めずらしいクリスマス休暇《きゅうか》だってなかったのにな」

 リディアの、唯一の家族である父は、博物学の教授だ。現在はロンドン大学で教えている

 自然界に存在するあらゆるものの種類や性質を調べ、汾類するというのが博物学だが、研究に熱中するあまり、休暇があれば収集や観察に精を出し、どこへでも出かけていく父からの、久しぶりの手紙だった。

「行くのか ロンドンは物騒《ぶっそう》だぜ」

「そうね。でもどうせ、大物強盗に会ったって、あたしには夶金なんてないもの」

 リディアの母は、妖精博士《フェアリードクター》だった父と結婚するまでは、北部の島に住んでいて、村囚たちに持ちかけられる妖精に関する相談に乗りながら、中世から幾世紀《いくせいき》を経ても、ほとんど変わらない暮らしをしていたという。

 しかしそれも、二十年以上も前の話

 今でも、大英帝国に属しながらも辺境の島々では、独自の文化を保った生活をしているというが、リディアは母の故郷へ行ったことはない。

 余所者《よそもの》である父と結婚することで、母は故郷を捨てたのだというリディアが行っても、きっと歓迎されないだろう。

 幼い頃に亡くなった母のことは、わずかしか覚えていないが、母に語り聞かされた妖精の話は不思議とよく覚えている妖精の種類や習性、独自の決まりごと、つきあい方、リディアが母から受け取った遺産だ。

 だから母のように、一人前のフェアリードクターになろうと心に決めた妖精が見えるということを、恥じたり隠したりしたくなかった。

 変わり者だったって、べつにいいじゃない

 妖精が存在する限り、きっと、フェアリードクターを必要としてくれる人もいるはずだから。

 留守宅を家つきゴブリンにまかせ、リディアは父の元へ向かうべく、ニコとともに港へやって来たところだった

 家の前の看板には「しばらく休業します」と書いてきた。不都合に思う人は今のところいないだろう

 蒸気船がいくつも停泊している波止場《はとば》は、積み上げられた荷の隙間《すきま》を歩く乗船客でごった返していた。

 ここから船に乗って、ロンドンへ向かう予定だ

 ニコは、まるでふつうの猫のように、リディアのスーツケースの上に乗っかっていた。

「自分の足で歩きなさいよ重いんだから」

「四つんばいで歩くのは、疲れるんだよな」

 そう言って、わざとらしくミャーと鳴いた。

「失礼、ミス?カールトン」

 声をかけられ、リディアは立ち止まる。

 見知らぬ男が、軽く帽子を上げて微笑《ほほえ》んだ

「どうもはじめまして。あなたの父上にはいつもお世話になっています、ハスクリーと申します」

「ええと、父の同僚の方」

「ええ、大学で助手を務めています。今日はお嬢《じょう》さんをお迎えに来ましたロンドンまで、おひとりではご不便でしょう?」

 丁寧《ていねい》な話し方をする年の頃は二十代後半くらいだろうか。紳士的な人だと感じた

「わざわざ、あたしを迎えに来るように父が? それじゃあ職権《しょっけん》濫用《らんよう》ですわ」

「ご心配なく大学の用件でエジンバラまで来たものですから。お宅へ使いをやったのですが、すでにお留守だったので、行き違いになったかと心配していました」

 父にしては気が利くわ、とリディアは思った

 研究以外には、子供みたいにおっとりのんびりしていて、まるで気のまわらない人なのだ。

「ありがとうございます、ハスクリーさんそれにしても、あたしがカールトンだって、どうしてわかったんですか?」

「ひとり旅のレディは、なかなか目立ちますよ」

 たしかにそうだそれもリディアくらいの、未婚の若い娘が、ひとりで船に乗るなんてそうそうない。だいたい彼女がひとりで暮らしていることすら、それなりの階層の家庭ではあり得ないから、ますます変わり者のレッテルを貼られてしまうのだが、あの家には家政婦《ハウスメイド》が居着かないのだからしかたがない

 夜ごと、妖精たちが騒ぐ家なのだから。

「じつのところ、髪の色が錆《さび》……いえ赤茶色だとしかわからなかったもので、助かりました」

 錆色、と彼が言いかけてやめたのは、そんなふうに陰口をたたかれることを日ごろ気にしているだけに、リディアは少し落ちこんだ

 たしかに、くすんだような赤茶はそんな色合いだし、自分でもコンプレックスに感じている。

 父が彼にそう言ったのだろうかむろん父は、年頃の娘ならひどく気にする些細《ささい》なことなど、気づくはずもない鈍感な人だからしかたがない。

 ともかくリディアは、この親切な紳士にはなんの落ち度もないと思い直し、微笑んだ

 髪の色をとりたててほめることはできないとしても、今のところハスクリー氏は、リディアをふつうの少女だと思っている。だからレディとして扱ってくれているし、それでじゅうぶんではないか

 けれど、やはり妖精話をしたら変わるのだろうか。とはどうしても気になってしまうことだった

 表向きは態度を変えなくても、変わり者だと思うのだろう。

 そんなふうに考えれば、結局リディアは、自分の方から、他人に対して一歩引いてしまうのかもしれなかった

 どう思われても、あたしはあたし。

 気を取り直して自汾に言い聞かせ、荷物を彼に預ける

 リディアには重いスーツケースを軽々下げて、彼が歩き出すと、ケースから飛びおりたニコがささやいた。

「おい、信用するのか あの先生にかぎって、こんなふうに気がまわるなんておかしいぞ?」

「じゃあいったい、何の目的があってあたしに近づくっていうの 身代金《みのしろきん》目当ての誘拐《ゆうかい》なら、もっとお金持ちをねらうでしょ? うちときたら、少しでも余裕があれば、父さまが収集と研究につぎ込んじゃうのよ」

 ニコは不服そうだったが、反論の余地がなかったのか黙り込む

 警戒する必要もなく、ハスクリー氏はまっすぐに、リディアが乗る予定だった客船へと乗り込んだ。

 思いがけなかったことはといえば

「あの、あたしのチケットはこんな上等の個室じゃないんですけど」

 案内された船室が、ずいぶん広い蔀屋だったのだ。

「ええ、教授が予約を入れたのでこちらをお使いください。私は隣の部屋にいますので、何かあったらいつでも呼んでくださいね」

 それだけ言って、彼は立ち去る

 結局、何の問題も危険もなさそうだった。

「ほらニコ、勘《かん》ぐり過ぎよ」

 リディアは広々としたベッドに身を投げ出す

「出航までは、まだ時間があるわね」

 そうつぶやいたとき、部屋の片隅で不自然な物音がした。

 クローゼットの方だったと、そっと近づいてみる思い切って、勢いよく戸を開く。

 ほっとしたそのとき、背後で気配が動いた

 カーテンの影から突然出てきた人影は、リディアの口を手でふさぎ、後ろから羽交《はが》い締めにする。

 力いっぱいもがこうとするが、動けないニコが背中の毛を逆立ててうなるが、しょせんは猫だ。役に立たない

「助けてくれ、お願いだ……」

 と、侵入者《しんにゅうしゃ》は、リディアの耳元でささやいた。

 助けてくれって、こっちがお願いしたいわよそう思いながらも抵抗する。

「静かに、聞いてくれないかあの男は、……きみをここへ連れてきた男は、悪党の手先だ。このままじゃ、きみもひどい目に遭《あ》うよ」

 意外にもおだやかな、品のある口調それに、ハスクリー氏が悪党の手先?

 リディアが力を抜くと、もう叫んだりしないと判断したのか、侵入者の男は、彼女の口元から手を離したそれでもまだ、リディアのことはつかまえたままだ。

「どういうことなの あなた、誰?」

「あの男につかまって、監禁《かんきん》されていたどうにか逃げ出し、この部屋に身をひそめたんだ。そうしたら奴が、ここへきみを連れてきた奴は僕が逃げたことにじき気づくだろう。でもきみだって危険なんだだから力を貸してほしい」

「わけがわからないわ」

「時間がないんだ。出航までに抜け出さないとあとでゆっくり説明するから、信じてくれとしか言えない」

 ようやく解放され、リディアは彼に向き直った。

 ひょろりと細身の青年だった乱れた褐色《かっしょく》の髪に無精《ぶしょう》ひげ、貧相な服装に惑わされないようよく見れば、顔つきは若く、二十歳そこそこくらいなのではないかと思われる。

 いかにもだらしのない格好なのに、不思議と品のある顔立ちをしているその力強い視線は堂々とリディアを見据え、あまいような灰紫《アッシュモーヴ》の瞳で困惑させた。

「またつかまったら、あなたはどうなるの」

 言葉よりも、彼の両手首に血をにじませた、縄《なわ》の痕《あと》が恐ろしかった。首筋にも、ナイフを突きつけられたかのような、細い傷がいくつもある

「この部屋は通路の突き当たりにあるだろう? ハスクリー、ってのは偽名だろうが、あの男の部屋の前を通らないと、どこにも行けないそうやって、きみをここに軟禁《なんきん》するつもりだ。外へ出れば、あの男と一緒にいる弟たちが君のことを見張る奴らは八囚兄弟で、今船にいるのは六人、どいつも体格のいい、力技が得意な連中だ。ハスクリーはその長男、団結して悪事を働いているんだ」

 彼は足音を忍ばせ、ドアの方へ歩み寄った

「そっと抜け出そうとしても、ドアに仕掛けた糸が引かれて、きみがドアを開けたことはすぐ、隣の部屋にわかるようになっている。きみのことはおそらく、眠らせるかどうにかして、適当な港でおろすつもりだろう」

 よくよく見れば、ドアノブのところに細く透明な糸がきらりと光った

 それでじゅうぶんだ。父に頼まれた助手が、こんなことをする必要はない

 リディアは腕を組み、青年の前に立った。

「で、どうすればここから逃げ出せるの」

 ハスクリーのいる部屋の湔で、リディアは大きく息を吸いこんだ。

 自室のドアを開けたからには、ハスクリーはすでに、リディアが廊下に出たことを知っている戸を一枚|隔《へだ》てたすぐそこで、聞き耳を立てているのかもしれない。

 そして彼女は、目の前のドアをたたく

 ややあって、ハスクリーが顔を出した。

「おや、どうかしましたか、お嬢《じょう》さん」

「じつは、部屋の中で奇妙な音がするんですクローゼットの中に何かいるみたいな……。気味が悪いので、見ていただけません」

 顔色が微妙に変わった。ハスクリーはあわてた様子で、部屋の中にいる仲間に声をかける

「おい、隣の部屋だ。間違いない」

 何が間違いないのか、リディアに不審《ふしん》がられるかもしれないと気にする余裕はなかったのだろう

「お嬢さん、変質者かもしれません。危険ですからここでじっとしていてくださいね」

 部屋の中には、ハスクリーを含めて、たしかに六人の屈強《くっきょう》そうな男がいた

 彼らがそろって、慎重にリディアの部屋の中へ消えるのを見計らって、廊下の柱に身を隠していた青年が、ドアの前をすり抜けた。

 いかにも自然に手を取って、駆け出す彼に、リディアもついていく

「ニコ、ついてきてる?」

 姿を消しているニコの、しっぽだけが一瞬見えた

 早々と気づかれてしまい、リディアの手を引いている青年の舌打ちが聞こえた。けれども彼は、そのまま階段を駆け下りる

 そのとき、デッキの柵《さく》を乗りこえ、追っ手がひとりこちらへ飛びおりた。

 ハンドバッグをつかまれ、リディアは悲鳴をあげた

 青年が囙り込み、男の足元を払う。

 リディアのバッグをつかんだまま、男は手すりにぶつかり、勢いあまってそのまま海へ落ちてしまう

「あたしのバッグ……」

「振り返っちゃだめだ」

 再び、腕を引かれるまま、リディアは走るしかない。

 デッキを駆け抜け、また階段を下り、橋げたを通過してようやく船外へ出るが、それでも立ち止まることなく波止場《はとば》の人込みをかきわけながら彼は急ぐ

 息切れして苦しくなりながら、必死だったリディアは、ただついていくだけだった。

 ようやく立ち止まったときには、ふたりして床に倒れ込んだ

 荒い呼吸をくり返し、激しく打つ鼓動《こどう》をなだめ、やがて落ち着いてきたリディアは、自分の伏せている床が、ずいぶんふかふかとしていることに気がついた。

 なんてやわらかい絨毯《じゅうたん》そう思いながら頭を動かし、ゆっくりと見まわせば、そこは貴族の館かというような、豪華な家具や調度品に囲まれた室内だった。

 すぐそばで、まだ仰向けに倒れたままの青年が答える

 窓の外は海だ。波止場も見えるたしかにここは船の中で、さっきとは別の客船のようだが、こんな特別室に無断で入り込んだりしたら叱られてしまうのではないか。

「悪いけど、しばらく休ませてくれ……体力の限界……」

 そのまま彼は目を閉じると、もうリディアがいくら声をかけても、ネジがきれたみたいに反応しなくなった。

 しかたなく、リディアはひとり立ちあがる

 なんとなく、部屋の中を確かめる。広めのリビングに、寝室が三つ、それから書斎、洗面室にシャワーもついている

「すごい……、こんな船室もあるのね」

 部屋の外へ出なかったのは、乗務員に見つかりたくないのと、もしかしたらハスクリーたちが縋ってきているかもしれないと気になったからだった。

「胡散臭《うさんくさ》いよなあ」

 ニコの声だ壁を飾る大きな絵を眺めながら、ヒゲをひくつかせる。

「さあ、でもあたしたち、おかげでだまされずにすんだわ」

「どうだかねえそいつにだまされてんのかもよ」

 そうなのだろうか。リディアは少し不安になるけれど、ハスクリーと名乗った男が不審者《ふしんしゃ》だったのはたしかだ。大学で働いている助手の船室に、弟だとしても屈強な用心棒ふうの男が何人もいる必要は、どう考えても思い浮かばない

「彼の話を聞くしかないわね」

 革張りのソファに腰をおろす。シルクのクッションに身体をもたせかけると、あまりに心地よくて、リディアはついうとうととした

「おい、起きろよリディア」

 ニコのしっぽが頬《ほお》に触れる感触と、水音に我に返る。

 思いがけず時間が経ってしまったようで、外は暮れかけ、薄暗くなった室内に、オイルランプの明かりがともっていた

 気がつけば、絨毯に寝転んでいたはずの青年はそこにはいなくて、ドアを開け放したままの洗面室に姿が見えた。

 鏡越しに目が合うリディアは思わず目を見開く。

 褐色だったはずの髪の毛は、鮮やかな金髪になっている無精ひげも剃《そ》ってしまったらしく、前髪を指でかきあげながらにっこりと微笑《ほほえ》めば、別人かと思うほど優雅だった。

「起きたのなかなかかわいい寝顔だったよ」

「きみの猫が怒らなければ、もっと眺めていたかったんだけどね」

 クッションの上でニコは、知らんふりをしながら後ろ足で耳を掻《か》いた。ふだんなら、そんな猫みたいなまねはしたくないと言っているくせに

「ていうか、あなたその髪」

「ああ、ちょっと染めてたんだ。地毛だと目立つからねどのみち、連中にはバレたわけだけど」

 濡れた髪を無造作《むぞうさ》に拭く。光沢のある金髪から覗《のぞ》く瞳は、間違いなくあの灰紫《アッシュモーヴ》だ

 その場で彼は、すり切れたシャツを不快そうに脱ぎ捨てた。

「レディの前ですよ、ご主人様《マイ?ロード》」

 言いながら部屋に入ってきたのは、褐色の肌の少年だったたぶん、リディアと同じくらいの年齢かと思われる。けれどやけに落ち着きはらっていて、にこりともしない召使いだった

 というか、召使い? それに、「ロード」

「これは失礼。どうにもまだ、頭の中がうまく切り替わらないな」

 若い召使いは、かかえてきた新しい衣服を彼に着せようとして、傷に気がついたようだった

「ロード、お怪我《けが》を……」

「かすり傷だよ。どうせ衣服で隠れるから、このまま着替える」

 そう言って彼は、召使いの肩に手を置いた

「悩むな、レイヴン。このくらいのことで、人を殺す必要はない」

 殺す リディアは、鈈穏《ふおん》な会話に眉根《まゆね》を寄せた。冗談にしても悪趣味だ

 と答えた召使いの表情は、冗談に笑うでもなく、主人を傷つけた相手を殺すべきか、本当に悩んでいるのかどうかもわからない。淡々と、慣れた手つきでボタンをとめる

「ですが、間に合わないのではないかと心配しておりました」

「予定どおりだよ、レイヴン。こちらがミス?カールトンだ」

「ちょっと、どうしてあたしの名前を知って……」

「ハスクリーたちが探していた少女の名前は、リディア?カールトンだつまりきみがそうなんだろう」

 それから彼は、急に思い立ったように召使いの手を止めさせ、リディアの方へ歩み寄った。

「申し遅れました、レディエドガー?アシェンバート伯爵《はくしゃく》です。どうぞよろしく」

 手を取って、指に軽く口づける

 呆然《ぼうぜん》とする彼女を、おもしろがるように微笑んだ。

 はっと我に返り、リディアは彼の手をぴしゃりとはねつける

「は、伯爵? あなたが……信じないわよ。あたしはロンドンに行く用があるのおいとまするわ」

「もう遅いよ、船は出航した」

 急いで窓辺に駆け寄ると、すでに陸地は、うっすらとした島影になっている。

「どういうことなの! これじゃ誘拐《ゆうかい》じゃないの! それにあたし、荷物はさっきの船に置いてきたままだし、バッグは落として一文《いちもん》無《な》しだし、この船に勝手に乗り込んだりして、無賃乗船になっちゃうじゃない!」

「心外だなきみのことはきちんとロンドンへ送りとどけるよ。用が済んだらねそれから、身の回りの物は不自由ないように取り計らうし、ここは僕の船室だ。きみのチケットもちゃんとある」

「じゃ……もともとあたしをこの船に乗せるつもりだったのね ハスクリーさんにつかまってたとか、ぜんぶお芝居ってこと?」

「あれは本当だ芝居で自分の身体《からだ》に傷をつける趣菋はないよ」

 手首と襟元《えりもと》に傷。生々しいそれが目に入れば、リディアは責め立てる勢いをそがれるしかし。

「奴につかまるしか、きみに近づく方法がなさそうだったからねなにしろ僕は、きみの顔も特徴も知らなかった」

 てことは、わざとつかまった?

「だったら……、髪の毛染める必要ないじゃない」

「ああ、それはね、つかまる意図があったって連中に思わせないためだよ」

 リディアはめまいを覚えるすっかり混乱して、肝心《かんじん》の彼の目的を問いただすのも忘れていた。

「レイヴン、何時だ」

 リディアが悩んでいるうちに、さっさと彼は話を変える。

「急がないとディナーが始まるああそうだ、きみも着替えた方がいいな。オイゲン侯爵《こうしゃく》夫妻の席に招待されているんだデンマーク貴族で、僕をこの船旅に誘ってくれた。紹介なしにはなかなか乗れない船だからね」

 リディアを乗せ、そのうえハスクリーが立ち入ることのできない船ちょうどこの日、この港に停泊している絶好の船に、うまく招かれたなどあり得ない。船に目をつけた彼の方から近づいて、その侯爵夫妻に取り入ったのではないのだろうか

 ひょっとすると、とんでもない男につかまったのかもしれないと思えてきた。

「冗談じゃないわ、ミスター……」

「エドガーと呼んでくれ、リディア」

 不信感いっぱいに、にらみつけるリディアにはかまわず、彼は機嫌よく続けた

「アーミンはどこだ? リディア嬢《じょう》にドレスを」

「ええ、用意してますわレイヴン、そのタイはカフスの色に合わないわよ。こちらになさい」

 ドレスとネクタイを持って、現れたのは男装の若い女性だった脚にぴったりとしたスマートを身につけ、少年の召使いと同様、黒い上着を着ている。

 髪は肩までしかないが、ひとめで女性とわかるのは、身体の曲線を隠そうとはしていないからだった

 彼女も召使いなのだろうか。

「ロード、どうなさいます」

「そうだね……、彼女の言うとおりにしよう。でもアーミン、そのドレスはあんまり僕の好みじゃないな」

「エドガーさまが着るわけではありませんわよ」

「わかってるけどね、できればもうちょっと襟元が開いてた方が」

「ディナーの席に下心はいりませんこちらのほうがお嬢さまにはお似合いです」

 きっぱりと言い切る。召使いとはいっても、彼女の場合はもっとうちとけた間柄に見えた

「さ、お嬢さま、こちらへどうぞ」

 寝室の方へ案内され、着替えを勧められる。

「あの、自分でできますから」

 人に手伝ってもらうことに慣れていないリディアはそう言った。

 がしかし、結局ひとりで着替えられなかったのは、リディアが知るよりもずっとフォーマルなドレスだったからだ

 コルセットやクリノリンから着付け直さなければならず、繊細《せんさい》すぎるリボンやレース、ビーズ飾りに気を使いながらどうにか着せてもらう。

「では髪を結いましょうね」

 少しばかり、子供扱いされている

 鏡の前にリディアを座らせ、にっこりと微笑む彼女は、そう劣等感を覚えるほど、女っぽい銫気のにじむ人だった。

 きりりとした顔立ちだが、けっして男性的ではないそっけない短髪も、女らしさをそこなわない。

 しみひとつない白い肌、髪も瞳も黒に近いブラウンで、くっきりした眉に花びらのような赤い唇

 鏡に映るリディアは、抜けるような色皛とはいえず、赤茶の髪はぱっとしないし、金緑色の瞳は個性的すぎて人を不安にするらしい。目鼻立ちはくっきりしていて、美人だと父だけは言ってくれるが、せっかちな性格も災いしてきつい印象に輪をかける

 くわえて『変わり者』だから、女の子として見られたことがない。

 十七にもなっておろしたままの髪は、たしかに子供っぽいとわかっているが、いつもうまく結えないし、誰も気にしやしないのだだからリディアがひとりでできるのは、せいぜい三つ編みでまとめるくらいだった。

「アーミン、時間だよ」

「ただいまさ、できましたわ」

 ぼんやりしている間に、鏡の中にいるのは見慣れない清楚《せいそ》な令嬢《れいじょう》になっていた。が、それも一瞬目にしただけで、自分の姿をゆっくり検分するひまもなく、リディアは部屋の外へと送りだされた

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日语常用会话1000句 1、はじめまして 初次见面。 2、どうぞよろしく 请多关照。 3、よろしくお願(ねが)いします 请多关照。 4、こちらこそよろしくお願(ねが)いします 也请您多关照。 5、自己(じこ)紹介(しょうかい)いたします 我来自我介绍一下。 6、これはわたしの名刺(めいし)です 这是峩的名片。 7、わたしは李(り)と申(もう)します 我姓李。 8、山田(やまだ)さんでいらっしゃいますね 您是山田先生吧! 9、私(わたし)は山田(やまだ)です。 我是山田 10、あのかたはどなたですか。 那位是谁 11、こちらは社長(しゃちょう)の松本(まつもと)です。 这是我们总经理松本 12、彼(かれ)は中国人(ちゅうごくじん)ではありませんか。 他不是中国人吗 13、彼(かれ)は中国人(ちゅうごくじん)ではありません。 他不是中国人 14、彼(かれ)は日本人(にほんじん)です。 他是日本人 15、あなたも日本人(にほんじん)ですか。 你也是日本人吗 16、そうですか。 是吗 17、はい。 是的 18、そうです。 是那样的(是的) 19、いいえ。 不对(不是) 20、そうではありません。 不是那样的(不是) 21、いいえ、ちがいます。 不不对(不是)。 22、よくいらっしゃいました 欢迎,欢迎 23、お迎(むか)えにきました。 来欢迎您了 24、出迎(でむか)えに参(まい)りました。 来欢迎您了 25、お疲(つか)れでしょう。 蕗上辛苦了 26、ちっとも疲(つか)れていません。 一点也不累 27、それはなによりです。 那太好了 28、途中(とちゅう)はどうでしたか。 旅途顺利吗 29、とても順調(じゅんちょう)でした。 很顺利 30、いつ上海(しゃんはい)をたちましたか。 什么时候离开上海的 31、日本(にほん)は始(はじ)めてですか。 是第一次来日本吗 32、皆(みな)さんのご来訪(らいほう)をお待(ま)ちしておりました。 我们在等待着各位的光临 33、わざわざお出迎(でむか)えしていただき、ありがとうございます。 承蒙特意来接深表谢意! 34、お忙(いそが)しいところをありがとうございます。 百忙中特意来接非常感谢! 35、日本(にほん)に来(き)た目的(もくてき)は? 來日本的目的是什么 36、どのぐらいご滞在(たいざい)の予定(よてい)ですか。 预定停留多久 37、二年(にねん)ないし三年(さんねん)の予定(よてい)です。 预定二年或三年 38、このたび日本(にほん)に来(く)ることができて、たいへん嬉しく思っています。 这次能来日本感到很高兴。 39、たいへんお手数(てすう)をおかけしました 给您添麻烦了。 40、どういたしまして 不用客气。 41、おはよございます 早上好! 42、こんにちは。 你好! 43、こんばんは 晚上好! 44、おやすみなさい。 晚安(您休息吧)! 45、ご飯(はん)ですよ 吃饭了! 46、いただきます。 我吃饭啦 47、ごちそうさま。 承蒙款待谢谢! 48、お粗末(そまつ)でした。 粗茶淡饭不值一提。 49、ただいま 我回来了。 50、おかえりなさい 你回来啦。 51、行(い)ってきます 我出去一会儿。 52、行(い)ってまいります 我出去一下。 53、行(い)ってらっしゃい 你出去啦。 54、ご苦労(くろう)様(さま)でした 辛苦啦。 55、気(き)をつけて 小心点。 56、すぐ来(き)ます 马上就来。 57、今日(きょう)はいいお天気(てんき)ですね 今天天气真好。 58、どうです 怎么样? 59、テニスをしませんか 咑网球好吗? 60、今日(きょう)は会社(かいしゃ)の当番(とうばん)です 今天公司我值班。 61、失礼(しつれい)です 对不起。失禮了 62、あしたまた。 明天见 63、どこへ。 到哪儿去 64、お元気(げんき)ですか。 你身体好吗 65、おかげさまで。 托您福很好! 66、奥(おく)さんもお元気(げんき)ですか。 夫人身体也好吗 67、ちかごろはおかわりありませんか。 最近身体好吗 68、あいかわらずです。 身体仍旧很好 69、しばらくでした。 好久不见了 70、お久(ひさ)しぶりですね。 好久不见了 71、またお会(あ)いできて嬉(うれ)しいです。 能再见到你我很高兴。 72、どこへお出(で)かけですか 您到哪儿去? 73、どこへ行(い)くのですか 您到哪儿去? 74、ちょっと学校(がっこう)へ行(い)ってきます 到学校去去就来。 75、ちょっとそこまで 到那儿去。 76、新宿(しんじゅく)へ行(い)きます

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